「たえこさんはいったい何者ですか」「何者でもありませんけど」

ビリーフリセットカウンセラーのあらいです。

 

「たえこさんはいったい何者ですか」「何者でもありませんけど」

これは映画「めがね」の終盤に交わされるセリフ。

お気に入りの映画なのですが、このGWに久しぶりに観ました。

 

いや~、やっぱり好きだわ、この映画。

何もしないんですよ。何も。やすらぎの空間。

 

片田舎の浜辺の宿が舞台です。

主人公のたえこさんが日々の喧騒に疲れてやってきて

何をするでもなく、どこへ行くでもなく、ただたそがれる・・・。

「人生を静かに立ち止まる」たえこさんが、背負っている重荷を徐々に降ろして

心がオープンに、と言うより身軽になっていく様が巧みに描かれています。

 

そして終盤の「(私は)何者でもない」というセリフが肝かしら、と私は思うのです。

 

そう、誰もが「何者でもない」のです。

 

しかし、父だったり、母だったり、妻だったり主婦だったり、

学生、選手、雇用者、経営者、公務員、芸術家・・・

(恋人だったり、っていうのもあるかな)

何かしらの役割を背負いその役割をまっとうするために

私たちは知らず知らず自分を追い込んでいることがあります。

 

「何者かであるため」に。「何者かになるため」に。

 

社会的役割からの「何者である」は表層にまとっている「服」のようなもので、

その服を全て脱ぐとどうなるのでしょう?

「何者でもない、ただいるだけの存在」です。

 

「何者でもない」あなたは、誰からも傷つけられることはありません。

「何者でもない」あなたは、周りの影響を受けることはありません。

「何者でもない」あなたは、完璧です。

 

私たちの中に確実に存在する「何者でもない」完璧なエリアを感じられれば感じられるほど

物事の感じ方も周りの見え方も変わってきます。

どんな出来事が起こっても、非難される(と感じる)ことがあっても、

嫌われる(と感じる)ことがあっても、「自分という軸」が揺るがなくなっていきます。

 

ピンとこない人もいるかもしれませんがそれでもOKです。

ここに気づく・ここを見つけるタイミング・ペースは千差万別で、そこに優劣はないのです。

 

ただ、

行き詰っているあなた

生きるのが辛いというあなた

人と関わるのが怖いというあなた

「自分のことが嫌い」というあなた

に伝えたい。

 

「何者である」必要はないので、降ろせる荷物は降ろしていいのです。

少しずつでいいです。出来るところからでいいです。

「何者かである」ことを明らめて(気持ちを晴れやかにして)、

「何者でもない」自分にOKを出してみてください。

「何者であろう」としているから行き詰るのだ、というからくりに気づいてください。

 

また、「何者でもない」から何もするなと言っているのでもありません。

社会的役割をどうぞまっとうしてください。

それに加えて「何者でもない」「何者でなくてもいい」部分が自覚できると

無理せず自分を追い込むことなく役割を担うことができます。

嫌だと思っている仕事が意外と淡々とこなせたり。

反対にスパッと辞められたりもするかもしれません。

苦手な人の影響を受けにくくなったり

お母さんのあなたは、子育ての不安や緊張がほぐれるでしょう。

 

劇中終盤、たえこさんを追ってくる青年・ヨモギがドイツ語で詩を詠みます。

Mir ist bewusst was Freiheit bedeutet …
Folge dem Wege geradeaus,
meide die Tiefen des Meeres,
doch hab ich sol’ch Wort hinter mir gelassen.
Der Mond scheinet auf jedem Wege,
wie die, in der Dunkelheit, wie Diamanten schwimmenden Fische;
heiss wie durch Zufall Mensch – und hier bin ich.
Was hatt’ch zu befuechten,
mit was zu kaepfen,
bald ist es Zeit die Lasten zu legen.
Erteile mir noch mehr kraft,
Kraft zur Liebe.
Mir ist bewusst was Freiheit bedeutet,
mir ist bewusst was Freiheit bedeutet

 

詩は映画のためのオリジナルだそうです。

訳は↓

何が自由か知っている

道はまっすぐあるきなさい 深い海には近づかないで
そんなあなたの言葉を置いてきた
月はどんな道にも光をそそぐ
暗闇に泳ぐ魚たちは宝石のよう

ぐうぜんニンゲンと呼ばれてここにいる私
何を恐れていたのか 何と戦ってきたのか
そろそろ持ちきれなくなった荷物をおろす頃
もっとチカラを やさしくなるためのチカラを

何が自由か知っている
何が自由か知っている

 

ビリーフリセット理論の学びやビリーフリセットカウンセリングは、

「何者でもない自分」を自覚しそれでOKであることを腑に落とせます。

心の設定を「そのままの私はNG」から「そのままの私でOK」にリセット。

「あなたらしい人生の創造」はそこから始まります。

 

ちょっとおまけに、劇中に出てくる「メルシー体操」をどうぞ。

投稿者プロフィール

あらいかずこ
あらいかずこ
あなたとあなたの魂を繋げるカウンセラー・ピアノ講師・愛猫家。

我が子の不登校をきっかけに心理に興味を持ち、「ビリーフリセット心理学」認定カウンセラーに。その後も「いのち・魂」をテーマとする自己探求を続け、「魂と繋がり軽やかに生きる」カウンセリングを提供している。
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