群響「平日午後のシンフォニー」・左手のためのコンチェルト
ビリーフリセットカウンセラー・ピアノ講師のあらいです。
群馬交響楽団が、初めての試みで「平日午後」の演奏会を開催しました。
演奏会定番の土日夕方よりも平日昼間の方が気楽に出かけやすい私としては本当にありがたい試みです。
ピアニスト舘野泉さんを迎えてのコンチェルト2曲。と、ベト7。
群馬音楽センター前の名物的チェロ型公衆電話。
あ、コントラバスかな。
電話の横に譜面台が!
平日13時半開演でありながら、8割は席が埋まっていました。
『2002年に脳溢血で倒れ右半身不随となるも、しなやかにその運命を受け止め、
「左手のピアニスト」として活動を再開。独自のジャンルを切り開いた』
という舘野泉さんは御年81才。
もともと、その透明感あふれる舘野さんのピアノの音が好きだったので
左手の演奏・左手コンチェルトの曲を生で聴けるのがとても楽しみでした。
1曲目「泉のコンセール」~左手ピアノと室内オーケストラのための~
少し右足をかばいながらも一歩一歩力強くにこやかにピアノに向かう舘野さんの姿を見て
感慨ひとしおでした。ちょっと涙出た。
そして演奏。1曲目は光永浩一郎さん作曲「泉のコンセール」。
今日が日本初演だそうです!なんと貴重な機会でしょう。
「泉のコンセール」は舘野さんが光永さんに依頼し生まれた作品です。
曲想中に熊本地震が起きて、被災地近くに住んでいる光永さんが被災の様子を目の当たりにし
『「泉のコンセール」というタイトルには、舘野泉氏の協奏曲という意味のほかに、
復興・復活のエネルギーが泉にように湧き出るイメージを託している』
という解説が書かれています。
全体的に現代曲でありながら、第2楽章は近現代のロシアのような北欧のような美しい旋律が流れ
最終楽章は躍動感あふれています。変拍子でたたみこまれ、うーむ、1度聞いただけでは
拍子がついていけずよく理解できなかったのですが(汗)。
「頭で聴くな!ハラで聴け!」
という観点で語らせていただくと、変拍子が迫力となり波のようにエナジーが押し寄せてくる演奏でした。
2曲目「アンティポダス」~ファンタジア・コンセルタンティ~
これはアルゼンチンの作曲家パブロ・エスカンデの作品です。
「アンティポダス」とは、スペイン語で「地球の裏側」を意味するそうです。
ブエノスアイレスと日本、両方滞在経験のあるエスカンデ氏が、
互いに地球の反対側に位置するこの2つの場所で進行する情景を
音楽的に表現しています。
・・・って、なんと興味を引く着想でしょう!
南米のリズミカルな流れと短い旋律。タンゴを思わせる調べと、
日本的な情緒あふれる独特の旋律(ヨナぬき音階になっていたのかな)が行き交い
「あ、南米だ」「今日本にいるな」と想像しその世界を味わいながら聴きました。
2曲ともまだ録音されていないみたいです。CD発売とか配信とかされないかなあ。
聴きこみたいです。
左手のコンチェルトは
で、舘野さんのピアノは、やはり透明感があり流麗・しなやか。
しかし10本の指で奏でるコンチェルトを基準にすると、その音量はよく言えばなめらか。
端的に言うと物理的に小さくなってしまうのは否めません。
しかし、もちろんそれを想定して書かれた曲ですから作品としては素晴らしい完成を遂げているわけで。
つまり私の印象としては、ピアノがオーケストラの一部になりより浸透している感がありました。
それでいて長いソロはドラマチック。
両手コンチェルトとは違う味わいがあります。
「独自のジャンルを切り開いた」。本当にそう思います。
音楽で受け取る感動は片手も両手も関係ないですね。
珠玉の時間でした♪
投稿者プロフィール
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あなたとあなたの魂を繋げるカウンセラー・ピアノ講師・愛猫家。
我が子の不登校をきっかけに心理に興味を持ち、「ビリーフリセット心理学」認定カウンセラーに。その後も「いのち・魂」をテーマとする自己探求を続け、「魂と繋がり軽やかに生きる」カウンセリングを提供している。
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