ドラマ「レンタルなんもしない人」は、「陰陽の統合」が見事に描かれていました(ネタバレ注意)

アマゾンプライムビデオの番組一覧ページででひときわ目にとまるサムネイルがありました。

 

「レンタルなんもしない人」。

実在している「レンタルなんもしない人」をモデルにしドラマ化した作品だそうです。

Twitterで活動している彼の固定ツイートにはこのようなことが書いてあります。

『レンタルなんもしない人』というサービスを始めます。1人で入りにくい店、ゲームの人数あわせ、花見の場所とりなど、ただ1人分の人間の存在だけが必要なシーンでご利用ください。
1万円と、国分寺駅からの交通費と、飲食代だけ(かかれば)もらいます。ごく簡単なうけこたえ以外なんもできかねます。

フォロアーの数からして(26万)既に「有名人」の域に達している方ですが、みなさんご存知でしたか?

私は今回初めて知りました。

なんもなさそうな地味なサムネイルになんか惹かれて観てみたら面白くて、最終話まで一気に見通しました~

なんもしない朴訥としたレンタルさんの佇まいに周りの人がいつの間にか癒されて

ホッと力が抜けたり「気づき(プチ覚醒)」が起きたりするという、ほのぼのとした話なんですけど。

 

心理的な視点を持ちながら観ると「よく描かれているなあ」と感心するポイントが沢山ありました。

「感心ポイント」を具体的に挙げてみたいと思います。

(ネタばれされたくない人はここで読むのをやめてくださいね~~~~)

 

感心ポイント1・「なんもしない人」(以下「レンタルさん」と書きます)に深みがある
  • 余分なお喋りをしないので基本寡黙。
  • 心に静寂さをたたえている。澄んだ眼差し。
  • 自分の感覚に噓をつくことなく、その感覚を人に率直に伝える。
  • 人の在り方や出来事を評価(ジャッジ)しない。
  • 人との境界線が見事なほどに張り巡らされていて影響を受けない。
  • そのまま。ただそのまま。

深遠な魂のようです。

 

感心ポイント2・「レンタルさん」をレンタルする人々が丁寧に描かれている

レンタルさんをレンタルする理由はそれぞれなのですが、みんな心に何かしら抱えている人たちです。

傷ついた過去だったり、コンプレックスだったり、知られてはいけないことだったり・・・

この作品の素晴らしいところは、ただ「困っている人」「変わっている人」で済ませずに

そうなる(そうなってしまう)背景が丁寧に描かれているんですね。

 

その奥にはビリーフ(思い込み信じ込み)やインナーチャイルドが作動しているわけですが、

「なるほど、そんな背景があれば今こうなるよね」

と、個性豊かな依頼人に毎回愛おしさを覚えながらストーリーを追うことができました。

 

感心ポイント3・全話に渡ってレンタルさんと絡み続ける「アンチレンタルさん・神林」の描き方

営業トップの神林くんは「なんでも出来ますよ、やりますよ」と血気盛んです。

絶対に失敗しない!といつも意気込んでいる若者です。

 

そんな彼はTwitterで垣間見るレンタルさんのことが気に入らないのに

なぜかいつも目に付くし気にしてしまう。

落ち込んでいるときはレンタルさんに対する嫌悪感が増してレンタルさんをディスるツイートを投稿し、

共感者(アンチ)から多くの「いいね」が来るとニヤリ。

 

・・・嫌なヤツ~~~!!!!!ヽ(`Д´#)ノ

と叫びたくなるシーンが数多くあれど、そんな彼にも寄りそいたくなる背景が。

 

父親が優秀な弟に期待を寄せているので、

長男である神林君は「自分は親から認めてもらえていない」という感覚を持っているのです。

インナーチャイルド泣きまくっているよね。

そして、「そのままの自分は認めてもらえない」というビリーフを持ち

その欠乏感を埋めるために、周りから一目置かれる位置をキープし続けているわけです。

そうしないではいられない。

「終わりなき頑張りの人生」に没入しています。

 

こりゃーしんどい。神林くん、ガッチガチの鎧をまとってしんどいわ。

 

そんな彼の目にはレンタルさんが「気に入らない存在」として浮かび上がってきます。

投影。

つまり、「なんもしない」レンタルさんのような性質は

彼の中に「絶対にあってはならないもの」として押し込めているから

それが投影元となって

外の世界でレンタルさんが目に付く、という仕組みなんですね。

 

アンチの人の背景も丁寧に描かれて良かったです。

「神林くん、大変だなあ。いつか目が覚めて楽になれるといいなあ」と応援する気持ちで観続けていました。

 

感心ポイントその4・レンタルさんとアンチ神林くんの見事な統合

終盤近くなり、アンチ神林くんが仕事の都合でレンタルさんに依頼し実際に会うことになります。

その場面でも、あまりにもマイペースを維持するレンタルさんに我慢できず最後に声を荒げます。

「なんもしないなんて、ただ嫌なことから逃げ続けてるだけじゃねーかよ!」

(この30秒の予告編にエッセンスが詰まっています)

そんな怒号にもうろたえず、レンタルさんが神林くんにあることを伝えたら・・・

神林くんの心は溶け出して彼の中で分離していたものが一気に統合に向かったのでした(プチ覚醒)。

コンプレックスの塊だった神林くんの心に「これでいいのだ」の温かい火が灯りました。

 

そして、どこまでもそのまますぎるレンタルさんを放っておけなくなった神林くんが力を貸すことで、

レンタルさんはますます活路を広げていくのでした。

 

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うーむ、素晴らしい!

反対の性質が認め合い助け合い発展していくプロセスが素晴らしいです!

 

一人の心の中にも相反する要素がある。そのバランスが大事。

アンチ神林君の性質とレンタルさんの性質は、どちらも私たちの中にあります。

つまり、「頑張らねば・やらねば」という気持ちと「なんもしたくない」気持ち。

両方ある。誰の心にも宿っている。

しかし、

その人のたどってきた経緯から、どうしてもアンバランスになるんです。

「頑張らねば」が優位になる人。(こちらが多数派かな)

「なんもしたくない」が優位になる人。

 

「頑張らねば」が優位になる人は「なんもしたくない」を心の奥に押し込めます。

頑張ることでしか生きていけないと思い込んでいるからです。

 

「なんもしたくない」が優位になる人は「頑張らねば」を心の奥に押し込めます。

頑張ることから逃げたいからです。波風立てたくないからです。

 

片方の性質しか認めていないとバランスを崩しやすくて生きにくいのです。

認められない、嫌だなと感じる性質を「あってもいい」にすると、

このドラマのように

認め合い助け合うことで新しい活路が開けたり

「ある時は頑張る・ある時はなんもせずのんびりする」というように

場面場面で性質を使い分けることで心や身体のバランスが上手に保てたりします。

 

あなたの中にも

OKにしているものとNGにしているものを洗い出してみると、気づきがあるかもしれません。

もともと「頑張る」性質が圧倒的に優位だった私は、

今はすっかり「なんもしない」性質をOKにしているので

ゆらゆらといい感じです(^^)。

 

本物の「レンタルなんもしない人」のツイートはこちら↓

投稿者プロフィール

あらいかずこ
あらいかずこ
ワンダーチャイルド発掘統合ナビゲーター・ビリーフリセットカウンセラー・ピアノ講師・愛猫家。

子どもの不登校をきっかけに心の探求をはじめ、大塚あやこさん考案の「ビリーフリセット心理学」認定カウンセラーに。その後、その人本来の力を取り戻す「ワンダーチャイルド発掘統合ナビゲーター」として活動中。
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