自分を知ることは、自由になること(ゲシュタルト療法セミナーに参加して)

「自由」でイメージする私の好きな写真を貼りました。

 

日本のゲシュタルト療法の第一人者である百武正嗣先生

「ゲシュタルト療法セミナー」に参加してきました。

御年76歳で大御所の大先生ですが、

セミナーでは「ももちゃん」と呼ぶことを推奨されているので

ここでも以下「ももちゃん」と書かせていただきます。

 

レクチャーとデモセッションの時間があり、

私は立候補してそのセッションを受けることができました。

その体験がすごかったですよー(←語彙力)という話です。

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百武先生のセッションは一言でいうと男性性・父性全開。

ゲシュタルトは「今ここ」の感覚を最重要視します。

なのでクライアントさんの話がストーリーに走り始めると

百武先生は瞬時に見抜いて「今ここ」に引き戻します。

 

ストーリーに走るとは、言葉が意識の表層で紡がれている・意識が上にあがっている状態です。

人々の日常生活は常に意識の表層で言葉が紡がれて深いところは殆ど閉じています。

しかしカウンセリングは心の深いところにその人自身がアクセスする必要があります。

そのことを重々承知し、心の深いところにアクセスする気満々でいるのに、

それでも無意識に「ストーリーに走る私」がいました。

ももちゃんに何度も引き戻され続けていると、今度は

「この私の言葉にももちゃんはOKを出してくれるのかな」とますます思考になり、

自分の感覚から遠ざかるのがわかりました。

 

逃げられない。内に向かうしかない。

「どう思われるのかな」をなくし、

出てくる思考を排除すると、単純な言葉として

「こわい」が出てきました。

 

カウンセリングの定番イメージ(と私が思うもの)は、

クライエントさんの心に寄り添うもの。

女性性を前面に打ち出していくイメージがあります。

今の私は、

たとえ意識の表層から発している言葉とわかっていても、

クライアントさんの喋りたいことを思う存分しゃべってもらおう

というスタイルになっています。

その中にもヒントがたくさん隠されているからです。

 

しかしももちゃんはその逆で、常に「今ここの感覚」を最重要視し、

意識が上にあがることを許さない。

ストーリーを追うことを許さない。

逃げ場がなくなります。

意識が上にあがることさえ無自覚である自分に気づかされ、

否が応でも核となるところにリーチするしかない、

という状態に追い込まれます。

 

このようなスタイルは時としてクライアントさんから反感を買うことがあるかもしれません。

でも、ももちゃんはそんなのお構いなしです。

クライアントの心情がどうであれ、今ここの感覚、核となるものにリーチする事を最重要視するのです。

 

なので、私も途中で

強引だわー

ちょっと怖いよー

わたしゃ蛇に睨まれたカエルだよ🐸

と、ももちゃんのことを沢山解釈(ジャッジ)しながらも、

おそらく最短で深いところにリーチし起こる気づきに、

ももちゃんへの解釈が清算されました。

 

それはももちゃんのbeingによるところも大きいでしょう。

ももちゃんの絶対的圧倒的な存在感は、

人からどう思われるとかこのセッションはどうだったとか、

解釈や判断を入れず、ただ起こることを認める(眺める)。

そんなスタイルです。

だから沈黙の時間がとても多い。そして長い。

それは、クライアントさんの意識が深まる時間。

 

ゲシュタルト療法はカウンセリングと一線を画しているようで、

カウンセラーと言わずファシリテーター。

カウンセリングと言わずセッションと位置づけています。

しかしカウンセリングも

目的を作らない、

起こることがただ起こる、

プロセスや着地に何の判断もいらない、

と言うところは共通しているので、その思いを新たにしました。

 

ゲシュタルトは今までの師匠から間接的に学び、

私のカウンセリングにも自然と取り入れているのですが、

大御所ももちゃんの「そのままの姿」に引かれ、

可能性を感じたので、一定期間学び続けることにしました。

 

可能性とは、私自身をますます知るという可能性です。

自分を知ることは自由になることでもあるなあと実感しています。

自分のことをわかっていないから迷うし滞るんだよね。

(そうなるのはしょうがないことなんだけど)

セミナーに参加して、

私は未だ「私はこれでいい」と思っていなくて、

世界が怖いと感じていることがハッキリしました。

この気づきは大きいです。

 

真実が浮かび上がって、それをみつめて感じて。

セッション中も、「ああ、またこれが出てきたか」と

思考がグルグルしました。

何度も何度も対峙してクリアリングしてきたのに!って。

でもまだ「怖い」がある。根深くある。

それが真実なんだよなーーー。

終盤、椅子を蹴り飛ばしてスッキリしたよ。

 

「これで終わりでいいですか?」とファシリテーターのももちゃんに聞かれて

「はい」と答えてセッションは終了したものの、

スッキリせず、むしろどんより感が残ったセッション。

 

でもそれでいいんだね。

この気づき・ここで起こったことが全て。

後々自分の中で熟成されていきます。

だって今、私の中で滞っていたものが確かに流れ始めています。

そして次の動きが見えています。

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カウンセリングには様々なアプローチがありますが、

ゲシュタルトはテクニックとかアプローチとか

関係ない次元で行われています。

全てを取り払って起こる「今ここ」の気づき。

うん、もっとこの空間・感覚を味わいたいな。

 

自分の「本当」と分離させて意識の表層だけで進む人生よりも、

自分の深いところと繋がっていろいろな側面に気づいて

くやしさも、悲しみも、みっともなさも、怒りも、

「それがあるなぁ」と認めたうえで湧き出てくる思い。

そこに従って生きる人生のほうが私は楽で楽しい。

だから、モヤモヤや煮詰まりは本当に

新しいものが生まれ出る(もともとあるものが湧き出てくる)チャンスなんだよな。

 

いい時間でした。

この学びを今後のカウンセリングにも活かしていきます。

投稿者プロフィール

あらいかずこ
あらいかずこ
あなたとあなたの魂を繋げるカウンセラー・ピアノ講師・愛猫家。

我が子の不登校をきっかけに心理に興味を持ち、「ビリーフリセット心理学」認定カウンセラーに。その後も「いのち・魂」をテーマとする自己探求を続け、「魂と繋がり軽やかに生きる」カウンセリングを提供している。
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