生ききる。

昨日退院し家に帰れた母。とても嬉しそう。
母が体調を崩し始めた今年の7月から、検査通院・入院・退院までを付き添い続けた夏でありました。
退院は、残された短かい時間を住み慣れた大好きな家で過ごすためです。
切ないけれど不思議なほどに納得しています。
この状況をどこかで俯瞰しながら母の病と対峙しています。
感情の揺れ動きはそのまま認めます。
今は不意に感情が動いて涙が出てくることもあります。
心の深いところから湧き出るような涙です。
母の命の炎が徐々に弱くなっていく様を生々しく感じながら共に過ごす静かな時間。
「ただ在る」「共にいる」ことの奇跡・尊さ。
そんな真理をまざまざと見せつけられる日々です。
訪問看護師さんがおっしゃいました。
「私たちの役目は『その人がその人らしく生ききる』ためのお手伝いなのです」と。
最後の最後まで自分で選択し自分らしく生ききる。
生ききる。
なんて素晴らしい言葉なのでしょう。
カラッとした秋晴れの今日、
母はゆっくりとした足取りでテラスに出て座り、しばらくの間
お日様の温もりを受け取っていました。
風を感じていました。
虫の鳴き声を聞いていました。
サッシの内側からそんな母の後ろ姿を眺め、とても惹かれて携帯カメラのシャッターを一度押しました。
バーバラ・カーンズ著「旅立ち(死を看取る)」より。
「自分は死ぬのだ」ということが現実になると、自分自身を取り巻くあらゆるものから身を引いていき、内なる世界へ向かっているのです。
死を迎えようとしている人にとって言葉は重要でなくなる。
この世界から次の世界へ視点が移っていき、この世に対する基盤を失いつつある。
まさに今、母はそのプロセスを踏んでいると思えます。
ここに居ながらにして、意識がどこかにアクセスしているかのような、
その母の静寂な眼差し・姿が、とても厳かで惹かれて惹かれてたまりません。
なんて貴重な姿を見せてくれるのでしょう。
これこそ子供・家族に送られるギフトのひとつなのですね。
私は、どうにもならない切なさの中にある珠玉の真理・教えにただただ感動するしかないのです。
母の「その瞬間まで自分らしく生ききる姿」を引き続き見守ります。
お母さん、ありがとう。
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投稿者プロフィール

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あなたとあなたの魂を繋げるカウンセラー・ピアノ講師・愛猫家。
我が子の不登校をきっかけに心理に興味を持ち、大塚あやこさん考案の「ビリーフリセット心理学」認定カウンセラーに。その後も「いのち・魂」をテーマとする自己探求を続け、「魂と繋がり軽やかに生きる」カウンセリングを提供している。
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