宝塚花組の演目「巡礼の年」の奥深さを心の視点から語ります【その1】※後半ネタバレ注意
想像以上に奥深い内容でした
今年に入り、
宝塚歌劇団の「はいからさんが通る」をテレビ放映でたまたま観て、
イケメン陸軍少尉・伊集院忍役の柚香光(ゆずかれい)さんにハートを持っていかれて、
ニヒルな鬼島軍曹役の水美舞斗(みなみまいと)さんも好きになって、
「宝塚(花組)の沼」にずぶずぶと足を踏み入れています。
楽しいです~~~~\( *´ω`* )/
そして先日、
柚香さん率いる花組の「宝塚劇場千秋楽・全国ライブ中継」を観に
地元の映画館に足を運びました。
「巡礼の年~リスト・フェレンツ、魂の彷徨~」という演目です。
観に行く前に、既に観に行かれた方々の反応が知りたくてSNSを徘徊していると
ファンをときめかせるラブシーンの様子とか
推しのジェンヌさんの様子とか
華やかな舞台やジェンヌさんたちの圧倒的なビジュアル等、
眩い宝塚ならではの視点が多く見受けられました。
その一方で、
物事の根本原理を追求するような哲学的な内容だったり
リストの生涯が約2時間(弱?)の枠に詰め込まれいたりで、
「一度観るだけでは把握できない」というような、
内容の難しさに言及する意見も散見しました。
そんな前評判を聞きながら
「私自身はどんな感想を持つのだろう」とワクワクしながら
ライブ中継会場に足を運び観賞しました。
すると・・・
想像以上に深いぞ!これはすごいぞ!という感想を持ちました。
ジェンヌさんの美しさやパフォーマンスのすごさは言わずもがな、
心理・真理の視点からも大切なメッセージを内包する素晴らしい作品だったのです!
いつの間にか、私の中にある「カウンセラー視点」がニョキニョキとあらわれて
観賞していました。
終演後、身体に広がるじわじわとした静かな感動を味わいながら
同行した友人と顔を見合わせて
「よかった~~~~」「ホント、よかった~~~」と、その感動を分かち合いました。
どこがどのように素晴らしいのか?ということを、カウンセラーである私の視点から
語らせていただきます。
(ここからネタバレになるので、内容を知りたくない人はここまでにしてください)
物語の肝2つ・1つ目はリストの気づき
心の視点から、この作品の肝(重要な点・かなめ)は2つあります。
1つ目は、終盤の「自分が自分を許していなかったんだ!」というリストの気づきです。
これは私自身も心と向き合うプロセスで得た大きな気づきでしたし、
多くのクライアントさんたちもカウンセリングによってこの気づきに至っています。
地位と名誉と人気を博したリスト。
「カリスマ性あるスターとして求められている自分」と、
「本質的なそのままの自分」が乖離している状態で荒ぶる日々。
神童と呼ばれた子供時代と挫折、貴族社会のしがらみ、ハンガリー出身というアイデンティティ・・・
様々な要素が複雑に絡み合う中でもがき苦しみます。
その姿はまさに「魂の彷徨」。
そのリストの葛藤を見抜きながら交友関係を続けているショパンが、
39歳という若さでの死の間際に、リストに
「そこと向き合うんだ」という真剣かつ深遠なメッセージを投げかけるのですが、
リストは抵抗します。
「俺の何がわかるんだ!」(リスト)
「ああ、分かりたかったさ、死ぬ前に・・・」(ショパン)
という衝突を繰り広げ、(セリフは記憶が曖昧なので正確ではありません)
ショパンはリストに「どうか伝わってくれ」という思いを胸にしながら永遠に旅立ちます。
(このシーンが迫真に迫って切なくて感動した~~~。ショパン役の水美さん、素晴らしい☆)
劇中のリストがショパンに頻繁に言い放っていた「俺の何が分かるんだ!」は、永遠に物事が解決しない思考です。
人は自分の気持ちを分からない、なぜならばその人は自分ではないから。
逆に自分は人の気持ちを分からない。なぜならば、その人ではないから。
「あなたのことがわかる」はどこまでも、想像の域を超えることはありません。
なので、「わかってもらえない」と人を責めることや
「わかってあげられない」と罪悪感を抱くことは不毛です。
だから、劇中のショパンさんに伝えたい。
「死ぬまでに分かりたかった」なんて思わなくていいんですよ。
ショパンさんは、リストさんのことはわからなくて当然なのですから・・・
その温かい眼差しを送り続けただけで、
あなたは友人としての役割を十分すぎるほど果たしていらっしゃいます。
閑話休題。
ショパンの死後、リストに気づきが起こります。
「自分を許していないのは、自分だったんだ!」と。
そう、その通りなんだよ、リストくん!
ここまで来てやっと気づいたんだね!(←何様なんだ、私(笑))
具体的にどんな自分を許していないかというと、
そのままの自分・理想通りでない(封印している)自分です。
何者かにならなくてはと、理想通りの自分でいなくてはと、
鎧をまとい続けてきた劇中のリスト。
そしてリストの中に「赦し」の感覚が降りてきて、
ステージ上にいる子供時代のリストを眺めます。
そして2つ目の肝、「インナーチャイルドとの統合」が展開されます。
ここも感動的に描かれていました・・・(T T)
長くなったので、ここで一度区切りをつけて、
続きは次の記事に書きます~
↓書きました
宝塚花組の演目「巡礼の年」の奥深さを心の視点から語ります【その2】
投稿者プロフィール
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あなたとあなたの魂を繋げるカウンセラー・ピアノ講師・愛猫家。
我が子の不登校をきっかけに心理に興味を持ち、「ビリーフリセット心理学」認定カウンセラーに。その後も「いのち・魂」をテーマとする自己探求を続け、「心理」と「真理」を網羅した講座やカウンセリングを提供している。
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