なぜピアノ講師を20年以上続けていられるのかを改めて噛みしめる
20年以上大手の音楽教室に籍を置き、意識の高い生徒さんが集まるコースを長きにわたり受け持ち続け、毎年数多くの生徒さんをコンクールに送り込みながらピアノ講師としての経験を積んできました。
しかし、「ピアノは『そのままの自分はダメ』とインプットされた私の観念からまといつづけた鎧だった」ということが明らかになり、「本当の自分で生きる」決心をし、「そのまま行っていいよ~」という流れの中で、カウンセラーとしての新しい道を歩んでいます。
大手教室は退任し自宅レッスンだけ続けています。
ピアノ講師としての在り方も変容しました。
それまでの「常に向上し続けなくては!」モードから卒業して、「ピアノは弾きたいときに弾くのでいいじゃん」になりました。今、ピアノに向かう時間は激減しています。
「そんな時期もありだよなー。他にやりたいこともあるし。今後どうなるかは無理せず自然体でいこう。」
と思っていたワタクシ。しかし先日、ずっと習い続けてくれている生徒さんとお母さんが「ピアノ講師魂」を呼び覚ましてくれました。
コンクールに出演したい
中学生になりコンクールから遠のいていた生徒さんが、今年は出演したいと相談にきました。今となっては「コンクール」に否定的な感覚を持っている私ですが、この生徒さんに関しては素直にGOサインを送れました。なぜならば、
〇自分の本当の気持ちにアンテナを張れる子である
〇演奏することが好き
〇魂レベルと繋がる演奏が分かっている
〇なので結果にこだわらない
〇お母さんも生徒さんの個性を認めている
からです。
しかし、と思ったこと。
しかし、コンクール目指して指導していた頃の私と今の私は明らかに違うのでどうなんだろう、という疑問が湧きました。「何が何でも引っ張り上げる」というレッスンはもうしたくないのです。
その思いを正直に生徒さんとお母さんに話しました。すると、
先生だから、先生のレッスンだからいいのです
先生だから大切なことを教えてもらえたのです
先生を出会えたから、今の私がいるんです
ということを力説してくれました。
褒められベタなので気恥ずかしくなるけれど、お母さんと生徒さんの思いのこもった言葉は、これは、受け止めていいんだ、と素直に思えました。
なぜ20年以上もピアノ講師を続けられたのかを改めて噛みしめる。
私の鎧だった音楽、ピアノ。傷つく心に蓋をして受け続けた学生時代の厳しいレッスン。
ピアノは魂が喜ぶレベルの「好き」ではなかった。
それが分かった時、とても辛かった。でも、それを認めるとホッとした。
なのになぜ、長くピアノ講師を続けられたかというと、別の「好き」の要素が生かされていたから。
〇人が好き・信頼関係を築くのが好き
〇どうやら子供が結構好き
〇お喋りか好き
〇本質を語り合うのが好き
そして、今は忌み嫌っている(ここまで言うか(笑))コンクールですが、それを目指す生徒さんとの今までのレッスンは、確かに心震える時間だったのです。
そしてどんどん分かってきます。
私は、自分の演奏力を磨くことよりも、生徒さんがどうしたら上達してどうしたら表現の喜びを知って・・・ということを、重箱の隅をつつくような独自のメソッドでレッスンするのが大好きだった。
曲を分析しながら表現の本質に迫れるのが大好きだった。モーツァルトのピアノソナタで、その遊び感覚のセンスに大笑いしたり、ベートーベンの職人気質的なコーダの展開に感動したり・・・。
ピアノを弾くのも、「自分の演奏力のため」ではなく、「生徒さんが取り組む曲を弾くことで指導のポイントを探す」ことが大きな動機となり弾いていた。
と同時に「演奏家足りえない自分」を卑下していた・・・・。
今は声を大にして言える。
私は演奏が、未だジャッジされる感覚がつきまとい苦手です。
練習は好きではありません。
しかし、前述した「好き」が高じてずっとピアノ講師を続けられました。
私は音楽家でもなくアーティストでもなく「ピアノ講師」なんです。
こんな私を、今は認められるようになりました。
ここまでピアノ講師としての在り方を明確にしてくれた生徒さんとお母さん。
道を灯してくれてありがとうございます。
どうやらこれから、ピアノを弾く時間が増えそうです。
私は、ピアノ講師とカウンセラー、二足の草鞋でやっていきます。
投稿者プロフィール
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あなたとあなたの魂を繋げるカウンセラー・ピアノ講師・愛猫家。
我が子の不登校をきっかけに心理に興味を持ち、「ビリーフリセット心理学」認定カウンセラーに。その後も「いのち・魂」をテーマとする自己探求を続け、「心理」と「真理」を網羅した講座やカウンセリングを提供している。
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